2010年05月11日

ウッフィー経済



先週読みました。


100年くらい未来のお話です。

この時代、2つの技術革新がありました。

ひとつは記憶のバックアップとクローン技術による不死の実現。
もうひとつは、フリーエネルギーによる供給物資の無限化。

簡単にいえば、人類は、ありあまるモノと時間を手に入れたわけです。


そのことにより、人の価値観も大きく変化します。
モノや時間を節約するためのサービスを購入するために
貨幣を入手する必要がなくなります。

仕事はお金のためではなく、
純粋にやりたいことととして行うようになるわけです。

お金に変わって、
「やりたい」というモチベーションの元になるのが、
他人からの評価・評判。
それを貨幣化した「ウッフィー」とよばれるものです。

この時代の人々は、お金ではなくウッフィーのために働いてます。
(ちなみにウッフィーがなくても、生きてはいけます)


こんな環境のもと、主人公はフロリダのディズニーランドで働いてます。
彼の任務はホーンテッド・マンションの運営。
ゲストを喜ばせることに、心血をそそぐ日々でした。

ところが、ライバルが出現します。

そしてライバルと主人公との間に、
ホーンテッド・マンションの経営権をめぐる
壮絶なバトル(?)が繰り広げられます。


最初に書いたとおり、この時代の人々は
永遠の時間と無限の物資に恵まれています。

なのに、やってることがどれだけ有意義なのか、
というギャップが面白い。

バトルがエスカレートし、
とうとう主人公が殺害されるという事態も起こります
(と、言っても不死が実現している社会なので生き返ります)が、
この殺人犯のアリバイ崩しが後半の大きなヤマ。

設定を巧みに利用したトリックにちょっぴり感動です。


ストーリーもなかなか面白かったのですが、
やはり興味をひかれたのが冒頭に書いたような諸々の設定。


「無限の時間と物資が保証された社会では、
 人々はウッフィー(他人からの評判)のために働く」

この「ウッフィー経済」というのが、
私たちの目にしている資本主義経済と似てるようで似てなく、
つきつめて想像しようとしても、なかなかピンときません。

ただ、
人類の歴史に「資本主義の次の段階」というものがあるとするなら、
何となくこんな社会なんじゃないかな、と感じました。


そして、その萌芽みたいなものは身の回りでもよく遭遇する。
あわせてそんなことも思いました。
posted by 政宗 at 11:04| Comment(0) | TrackBack(0) | リーディング編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。